神奈川県川崎市のデイサービスでかながわ認証のセミナー講師として登壇しました。介護職員向けの専門性を積み重ねていく構成でしたが、スタッフの方の不慮の事故や利用者さんの救急搬送があり参加人数が減ってしまい、急遽役員の方々にも参加いただきました。講師のモチベーションを考えていただいたのであろうと察し、ご配慮に感謝しております。お陰様で熱を込めて業界の未来をつくるのは現場の日々の積み重ねであることを語りました。人材不足をロボットや外国人雇用で解決できるのかという切り口から、今いるスタッフの方がいかに重要な方達で、一人ひとりに目を向け耳を傾ける大切さを繰り返し伝えていきました。役員や施設長が指導でどうしていいのか迷うことがあると意見があり、スタッフの指導の仕方や面談で気を付けるポイントを具体例を挙げて説明しました。これからのデイサービスの運営でお役に立つこと間違いなし!!是非スタッフの方とのコミュニケーションの頻度を高めてお互いの関係性を深めていったいただきたいと思います。
コンサルタントで訪問している介護付有料老人ホームの施設長と課題抽出の為の面談をした。介護人材の採用活動中で退職の補充が近々の課題だ。採用後の定着について話しが深まると、人材育成の考え方に筋が通っていることに感心した。普段の仕事ぶりから伸びしろのある人を中心に成長を促進して、なかなか成長しない人は日常業務を褒めて育てようというものだ。当たり前のように思うが非常に難しい。何故か、これは一人ひとりのスタッフに興味をもって長い目で付き合い続ける覚悟が必要だからだ。興味を持っていても覚悟がなければ人材は定着しないし、多くの事業所で人不足が慢性的に起きているのは、出来ていない結果によるものだ。私も経験から感じているが、施設のトップが人材の採用から成長を見続けて、良い時も悪い時も共に歩みを続ける取り組みが求められているだろう。その為には、覚悟を言葉としてスタッフに伝えて皆で前進していく組織風土が大切だと思う。これから管理者になる方や今悩みを抱えている管理者の方は当社にご用命いただければ、一緒になって施設の運営力を高めます。自身の為にも部下や後輩の為にも、悩みがある方は是非ご用命ください。
あけましておめでとうございます。会社を設立して初めてのお正月を迎えました。旧年中は大変お世話になり、ありがとうございました。本年は「飛躍の年」コンサルタント業を基本に、地域の医療介護連携に力を入れてまいります。青葉区特定施設事業者連絡会の事務局を担うこととなり、ますますの連携進展が求められていきます。具体的な地域包括ケアシステムの実現に向けて普段から顔の見える付き合いを大切に積極的に医療現場や介護現場に足を運びます。また、地域で生活する人に視線を向けて今できる事をコツコツと積み重ねることで地域に貢献していく所存です。医療や介護でお困りごとのある方は遠慮なくご連絡いただきたく思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
当社は地域包括ケアシステム実現のために青葉区を中心とした民間介護施設の紹介をしている。最近は全国的に幅広く紹介する会社が様々で、僕自身も前職の東急で介護施設の運営をしているときに営業の電話を受けた。紹介をする内容はバラツキがあり、うんざりするような紹介をする会社も少なくなかった。いったい誰を見て誰のために仕事をしているんだ!と怒り出しそうになったことを覚えている。具体例の一つには個人情報を一部隠したFAXを夜中に送信してきて、以後、入居に至ったら紹介料を収めろということがあった。この経験から紹介とは何か考えた。各施設の費用やサービスの情報提供は基本で、入居見込み者と施設の状況や事情を把握した上で双方の納得に近づけることが紹介ではないだろうか。これは契約書や管理規定で確認できる内容をきちんと理解して、入居前後の思いと生活のズレを最小限にする必要があると考えるからだ。ますます民間介護施設が果たす役割が深まる中、紹介者は紹介した後の関わるそれぞれの人がハッピーになるように気を引き締めなければならない。
地域の医療と介護の連携で紹介のあった施設入居希望者に、かかりつけ医がいる病院に近い民間介護施設を案内した。木下の介護が展開する「ライフコミューン松風台」は地域の中でも歴史のある施設だ。寮を改装した建物は古さを感じさせるものの、時代に合った設備を後付けながら整えていて違和感はない。見学中は笑顔で明るい挨拶をするスタッフの方やデイルームでテレビを観ていたのに見学者とわかると丁寧に挨拶されるご入居者の方がいる。僅かな時間だったが日常の生活の風景を自然に感じることができた。きっと、建物の古ささえも特徴にしてしまうほど人によるサービスが柔らかく包み込んでいるからなのだろう。心地よさを生み出す空間環境は一朝一夕ではできない。これから入る方に気に入ってもらえたら嬉しく思う。
特養職員の一斉退職が報道されている。福岡県行橋市の社会福祉法人「友愛会」が運営する特別養護老人ホームなど2施設で、職員の退職が相次ぎ、市は職員の確保などを求める改善勧告を出した。市によると友愛会は破産する可能性もあり、市は計28人の入所者を他の施設へ移すことも検討している。市によると、2施設は特別養護老人ホーム今川河童苑(かっぱえん)と、特定施設いまがわ秋桜(こすもす)ガーデン。2階建て施設の1階が特養、2階が特定施設で定員はともに29人。2015年の開設当初から定員割れが続き、負債がかさんでいた。職員への給料が滞るなどして、パートを含む職員26人のうち8人が11月末に退職した。職員の配置基準を満たさなくなるおそれがあり、市は11月、職員の確保を勧告したが回答がなく、特別監査に入った。書類の不備などについても改善するよう再度勧告しており、今月17日までに改善されない場合は改善命令を出す。この命令に従わない場合、市は事業者指定を取り消し、入所者を他施設に移す方針。施設の状況を調べ、入所者に危険があると判断した場合は移送を早めるという。市地域福祉課の真田幸典課長は「手続きにのっとって進めていくが、入所者の安全を最優先に対応したい」と話している。施設は10、11月分の水道代約40万円も未払いで、市は3日に一時、給水を止めたが、受水槽があるため入所者らへの影響はなかったという。この記事を確認して考察するが定員割れによる負債はどの施設でも起こりうる課題だ。法人としての破産の可能性もあるということだが、手を打つ策はなかったのだろうか。入居者の確保という視点においては比較的軽度の入居者を特定施設に誘致して、要介護3以上になると特養に移り住む利用システムだろう。これを教訓にする法人は入居者に選ばれる取り組みを確実に進めていくことだろう。それが何であるかは法人が考えるべきことだが、一つ言えることがある。職員なくして入居者は集まらない。数がいればいいわけではなく、人財育成に本気で取り組んでいるのかどうかが施設の地域に根付く独自の取り組みとして現れるからだ。人材育成が必要であればどうぞ声をかけてください。実践による人財育成で結果を出します。
介護付き有料老人ホームでの施設長の経験が長い僕は過去を振り返り思うことがある。何をもって施設長になることを推薦されたのだろうか。今日は施設長について考える。僕は介護職員から始まり担当するフロアのリーダーを経て施設長を拝命した。僕と同じように今ある民間介護施設の施設長は大半が現場の経験者だろう。これは現場を知っている人が施設長を任されることで入居者に近い運営に期待したり、現場職員がキャリアアップしていく組織として納得感をもってもらいたいと目的を持った法人の考えだ。しかし、施設長になる前に現場で教わることはマネジメントではない。体系化された組織ではあるが、キャリアアップする為の準備段階においてのバックアップは多いとは言えないだろう。それはリーダーの不足や施設長が不足していて人がなかなか育たないという声を多く耳にしているからだ。最近は法人との相談の場で耳にしないことはない。以前から課題としては認識されてきたが施設の数が増え続ける中、現場だけでなくマネジメントする人間も不足していると感じている法人が表面化してきているということだろう。さて現場でキャリアアップしにくいことについて分析する。現場では絶え間なく変化する入居者の体調や精神に気を配り、チームでのアプローチを日々探っている状況にある。施設としては入居者へのサービス提供をする人的リソースとして位置づけられていて、その中でもチームを意識したり入居者や家族からの信頼が厚い職員がリーダーへと昇格していく傾向だ。これは施設長になる場合においても同様で、木を見ることに長けている人材であるということが言える。一方で森を見ることが分からず、中長期的な視点に立って物事を判断するための訓練を受けていないことがある。そのためか、施設長になってからも現場で介護に従事している事業所もある。これは大きな問題として捉えなければならない。施設長は施設の管理者であり、入居者と職員、サービスと施設に関わる全般に目配りしなければならない。けっして現場で人が足りないことを言い訳にして現場に従事することなどあってはならない。これが常態化していたり、万が一、法人にこの基本の考えがないようであれば大変危険といえる。施設長のすべきことが基本として身についていない場合は、目の前で起きている今までの自身の経験から導き出されるヘルプサインに対して自身をリソースとして活用しようという安易な発想に陥ってしまう。施設長は入居者の声を直接聞くだけでなく、職員や家族、地域の人の声なき声に対しても敏感になって常に気配り目配りをする役割がある。個人的には感情的になる人とのコミュニケーションではあまり敏感になりすぎない技術が求められると思っているが…。さて、施設長がすべきことは範囲も広く、優先順位もあるので一概には言えないが、持たなくてはならないモノが何か、については答えが出るだろう。特に必要なことを書き記し、施設長の資格として心得てほしいと思う。①覚悟「誰かが最期を過ごす場所を提供する覚悟、誰かが生活をするための就業場所を提供する覚悟」②感謝「出逢いに感謝、成長に感謝」③責任「自身を取り巻く環境で起きる全ての結果に対する責任」。どれも「人」が最重要であることは言うまでもない。
今日は以前から相談のある地域の方の要望に応えている。今後、親を地方から近隣に引っ越す事を前提に高齢者施設を体験宿泊したいという希望があり、ソニーが運営する「ぴあはーと藤が丘」をご案内した。受け入れ担当の副施設長が丁寧に説明をして一日の生活リズムがわかりやすく伝わっただろうと思う。いい体験をして、今後の介護施設を選択する材料になればと願っている。柔軟に受け入れを進めてくれた皆さんに感謝している。一人ひとりに合う施設を説明する中で質問を受けることがある。それは新聞や報道等で起きている事件が紹介された施設では発生しないのか、又は発生したことはないのかという事である。虐待の過程を説明する中で、なぜ起きてしまうのかを説明するようにしている。誰も虐待をしたいと思っていないこと。特に介護の業界では相手を思いやり、手を差し伸べることができる人が職業についていること。しかし、起きている事実があること。これは閉塞された施設環境で、サービスを提供する人とサービスを受ける人の境目がなくなる瞬間から気づかぬうちに感覚麻痺を引き起こしていると考えられることを説明している。施設を選択する際に、必要な視点は豪華な建築物ではない。職員の表情と言葉遣いだ。慣れ親しんだ会話の様子が伺えても、ハッとしたり、ドキッとした言葉が飛び交っていれば危険だ。職員は施設利用者の近い存在といえるが家族にはなりえない。職員の誰かの言葉遣いが乱暴になり見過ごされると職員間で感染していく。言葉遣いが変わると、行動が変わる。すでに麻痺した感覚では行動が虐待であるのかどうかさえ気にならない。自分たちは適正だと思い続けていて、虐待が起きることがあると説明している。施設選びで大切なのは、職員の言葉遣いを聞くこと。虐待しない・させないという当たり前の意識を持つ施設長がいるかということ。営業マンではない施設職員から話を聞くことで施設の事情が垣間見れることだろう。是非、虐待の発生メカニズムについて理解してから合う施設を選択してほしいと思う。
先週の続き。そもそも、生活の場で医療を必要としていないことがあるのだろうか。人生一度も医者に診てもらったことがない人はいるやもしれないが、多くの人は風邪をひいたり身体に不調をきたしたりして医療機関にかかり関係をもったことと思う。高齢者の住まう施設においては定期的な薬を必要としている方が多く入居している。その場合、薬を処方するだけでなく、飲み方や飲み忘れ、飲み間違いが起きぬように医療だけでなく介護の手を必要としている。今回問題として取り上げられている施設は住宅型有料老人ホームとして運営され、介護職員が8名いて生活支援をしていた実態から、全員が退職に至れば生活そのものが劣悪な環境になったり、ましてや行き届いた支援などには到底及ぼないだろうと考えられる。ここの院長は医療は問題なかったという発言をしているが、介護と両輪でもって医療が成り立つという視点が欠如していて、介護施設で生活している入居者のことは”見ていない”ということが明白だ。生活をする人と支援する人が一体になって運営されるべき高齢者施設において、医療と介護が分離されているようでは、けっして一人ひとりの生活を見ることはできない。医療と介護が立場や役割を理解した上で、お互いの専門の視点から一人ひとりの生活と施設の生活を継続的に分析して、最善に近づける取り組みが求められている。