今日は以前から相談のある地域の方の要望に応えている。今後、親を地方から近隣に引っ越す事を前提に高齢者施設を体験宿泊したいという希望があり、ソニーが運営する「ぴあはーと藤が丘」をご案内した。受け入れ担当の副施設長が丁寧に説明をして一日の生活リズムがわかりやすく伝わっただろうと思う。いい体験をして、今後の介護施設を選択する材料になればと願っている。柔軟に受け入れを進めてくれた皆さんに感謝している。一人ひとりに合う施設を説明する中で質問を受けることがある。それは新聞や報道等で起きている事件が紹介された施設では発生しないのか、又は発生したことはないのかという事である。虐待の過程を説明する中で、なぜ起きてしまうのかを説明するようにしている。誰も虐待をしたいと思っていないこと。特に介護の業界では相手を思いやり、手を差し伸べることができる人が職業についていること。しかし、起きている事実があること。これは閉塞された施設環境で、サービスを提供する人とサービスを受ける人の境目がなくなる瞬間から気づかぬうちに感覚麻痺を引き起こしていると考えられることを説明している。施設を選択する際に、必要な視点は豪華な建築物ではない。職員の表情と言葉遣いだ。慣れ親しんだ会話の様子が伺えても、ハッとしたり、ドキッとした言葉が飛び交っていれば危険だ。職員は施設利用者の近い存在といえるが家族にはなりえない。職員の誰かの言葉遣いが乱暴になり見過ごされると職員間で感染していく。言葉遣いが変わると、行動が変わる。すでに麻痺した感覚では行動が虐待であるのかどうかさえ気にならない。自分たちは適正だと思い続けていて、虐待が起きることがあると説明している。施設選びで大切なのは、職員の言葉遣いを聞くこと。虐待しない・させないという当たり前の意識を持つ施設長がいるかということ。営業マンではない施設職員から話を聞くことで施設の事情が垣間見れることだろう。是非、虐待の発生メカニズムについて理解してから合う施設を選択してほしいと思う。
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