先週の続き。そもそも、生活の場で医療を必要としていないことがあるのだろうか。人生一度も医者に診てもらったことがない人はいるやもしれないが、多くの人は風邪をひいたり身体に不調をきたしたりして医療機関にかかり関係をもったことと思う。高齢者の住まう施設においては定期的な薬を必要としている方が多く入居している。その場合、薬を処方するだけでなく、飲み方や飲み忘れ、飲み間違いが起きぬように医療だけでなく介護の手を必要としている。今回問題として取り上げられている施設は住宅型有料老人ホームとして運営され、介護職員が8名いて生活支援をしていた実態から、全員が退職に至れば生活そのものが劣悪な環境になったり、ましてや行き届いた支援などには到底及ぼないだろうと考えられる。ここの院長は医療は問題なかったという発言をしているが、介護と両輪でもって医療が成り立つという視点が欠如していて、介護施設で生活している入居者のことは”見ていない”ということが明白だ。生活をする人と支援する人が一体になって運営されるべき高齢者施設において、医療と介護が分離されているようでは、けっして一人ひとりの生活を見ることはできない。医療と介護が立場や役割を理解した上で、お互いの専門の視点から一人ひとりの生活と施設の生活を継続的に分析して、最善に近づける取り組みが求められている。
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